頻尿
頻尿の原因とは
夜中に何度もトイレに行きたくなって目が覚める、なんてことはありませんか?
頻尿に悩んでいても、なかなか人に相談するのは恥ずかしいと思って我慢しまう人もいると思います。
でも、実は頻尿が病気のサインを示している場合があるのです。
今回は、頻尿の原因について解説していきます。
頻尿とは

人が一日に排尿する回数は個人差がありますが、日中に5回、夜間に0~1回が平均的といわれています。ところが様々な原因で排尿回数が増えると、頻尿とよばれる状態になります。
頻尿は一日に8回以上の排尿と決められており、何度もトイレに行きたくなる症状があれば頻尿と考えてよいでしょう。一回の排尿量が多いようであれば、多尿が疑われる場合もあります。
頻尿では排尿量が少ないことが多く、それにもかかわらず何度もトイレに行きたくなる場合は頻尿と考えます(頻尿の原因に多尿があるという考え方もあります)。
頻尿の原因は?

頻尿症状が苦痛の方には、何度もトイレに行かなければならないのを抑える薬が多く市販されています。頻尿自体は市販薬を服用することで改善をはかることができますが、頻尿の背後に原因となる疾患が隠れている場合もあるので注意が必要です。
原因疾患の多くは過活動膀胱(OAB)と前立腺肥大症ですが、他にも神経因性膀胱や抗コリン薬の服用、膀胱結石、膀胱炎、膀胱異物が原因となることもあります。
ここでは、過活動膀胱と前立腺肥大症に絞って説明していきます。
過活動膀胱(OAB)
過活動膀胱は、膀胱に尿が少し溜まっただけで尿を排出しなければならないという反射が起こり、膀胱が収縮してしまう状態をいいます。高齢になればなるほど有病率が高く、原因の多くが加齢によるものです。また、過活動膀胱の特徴として、頻尿の他に下の2つの症状があります。
Ⅰ. 尿意切迫感:急に尿意を催し、強くトイレに行きたく感じる。
Ⅱ. 切迫性尿失禁:尿意を我慢しきれず、トイレに入る前に尿がでてしまう。
頻尿だけでなく、このような症状がみられれば過活動膀胱が疑われます。
ただし、膀胱炎や膀胱癌でも同じような症状を呈することがあるため、病院で検査してもらうことが大切です。
前立腺肥大症
頻尿のもう一つの原因である前立腺肥大症は、男性ホルモンが強い高齢男性に多い病気です。
基本的な症状としては、次のようなものがあります。
Ⅰ. 残尿感
Ⅱ. 夜間頻尿
Ⅲ. 尿線途絶
もしかしたら病気かもしれないと疑い始める初期では、残尿感(排尿の後でも尿が残っている感じ)が少なく、排尿の勢い(最大尿流率)も大きいままです。それが次第に、尿がなかなかでない状態へと変わっていき、最終的には尿閉状態になります。そうなると腎臓や尿管への悪影響がでたり、尿路感染症にかかりやすくなるため、早期に治療を開始しなければなりません。
まとめ
頻尿の原因は過活動膀胱と前立腺肥大症が多く、症状によって見分けることができます。
ただし、膀胱炎や膀胱結石、膀胱がんでも似たような症状がでることがあるため注意が必要です。